墓石のデザイン

先日新聞で墓石の家名を彫りこんだ部分に金を塗るのは、全国でも九州だけの風習であるとの記事を読んで、はじめてそのことを知りました。
私は九州在住なので、金を入れるのが当たり前だと思っていました。
その記事によると、金を入れ始めたのは、長崎が発祥で貿易で潤った長崎は派手好きな土地柄であったこと、また中国の墓の影響もあるのではないかと書いてありました。
たしかに長崎には寺町というところに、一列にお寺が並んでいて、赤寺として有名な中華寺の興福寺もそのなかにあります。
中国人の墓を参考にしたというのは、あり得る話です。
寺町からすぐのところにある長崎の中華街には、横浜や神戸の中華街と同じように、金色の装飾がいたるとこで目に付きます。
一方長崎にはオランダ人をはじめ多くの西洋人が居留していたため、外人墓地も残っています。
こちらは長崎の港を見下ろす高台にあります。
こうしてみると墓にはそのお国柄が出ています。
そして墓石のデザインにもお国柄・土地柄・家柄の個性がでていて、興味がつきません。
東京の青山墓地や谷中の墓地には有名な故人の墓がたくさんあって、それらを見てまわるツアーまであるようです。
子供のころは墓は怖いイメージがあって、あまり行くのは好きでなかったように記憶しています。
しかしだんだん高齢になるに従い、墓地を散策するのは、面白いと思うようになりました。
先の有名人の墓を見る興味もその一つです。
そして墓地は市街地にあっても、そこだけ時間が止まったような、不思議なまた魅力的な空間なのです。
一度忠臣蔵で有名な芝高輪の泉岳寺を訪れたことがあります。
君主浅野家の墓の一画に大石内蔵助以下四十七士の墓がならんでいます。
しかし私と同じ興味本位の観光客が多く、墓地の落ち着いた雰囲気はありませんでした。
こんなにいつもぞろぞろ墓の前を歩かれたら、故人たちも安らかに眠るどころではなさそうです。
墓地めぐりは日本だけでなく、外国でもブームです。
パリのモンパルナス墓地やペールラシューズ墓地には、有名人の墓の場所が書いてある地図を片手に墓めぐりをしている人を見かけます。
有名なミュージシャンの墓の周りに若者が大勢集まっているのには驚きました。
墓のデザインは、生前に自分で作る場合を除き、故人が選べるものではありません。
しかし墓をみていると、やはりその人やその家とその墓の姿形を結びつけて考えてしまいます。
最近モダンなデザインの墓も増えていますが、私の好みではありません。

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